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石原知事会見詳報:カジノ構想「今でも意欲」

09.11.24

 都営地下鉄と東京メトロの経営統合に関し、現在の話し合いの進捗(しんちょく)状況や統合の時期的な見通しについて。統合前にサービスの一元化などの話があるならその道筋について。

 「国交省が考えていることは前からね、民営化という既定路線あるからね、そのために早く売りましょう売りましょう売りましょうということ。前原さんも国交大臣になって貴重な財源になるからね、売ろうと言っているようですけどね。メトロの会社そのものはものすごくもうかっている会社です。こっちは操業してから時間も足りないし、これから償却も終えて利益あげるのは少し先になるでしょうけどこれはやっぱり、必ず黒字を出すきちっとした会社になりますよ。その過程でね、相手にしてみると、金持ちが貧乏人と結婚するのはいやだという基本的なものがあるわけですから」

 「ただね、私たちはなにも国が売るからこっちが売る、そういう安易なあれじゃなしにね。じゃあ民営化民営化と言うが、だれがその後社長になるんですか。なんかやっぱりそこんとこ国交省考えが甘いと思う、この時代にね。なんか誰か顧問に連れてきたけど、その人が(東京地下鉄社長の)梅崎寿さんの後に横滑りして社長になるんですか。そんな時代じゃないと思う。その顧問になる人も国交省のお役人でしょ」

 「外国のファンド、金融機関は非常に関心持ってますよ。日本のような安定した社会のなかで有力な事業に投資しようと虎視眈々(こしたんたん)ですわな。メトロの株に対して、外国のファンド、金融機関は非常に大きな感心を持っている。例えば東京が国が売り出した株を東京が買ったっていいんだよ。自分たちが売って、どういうつもりかしらないけど、ちょっと世の中のことを知らないんじゃないかな。僕はそう思いますね。私はなにも国に言われるままに、株どのくらいの値段がつくか分からないこの時期、東京は売る気はありません」

 国の事業仕分けの状況見てどうか、都政への影響は

 「影響はものによってはありますね。例えば水道事業。膨大なお金がかかる事業ですから。これね、こうした事業も地方に委託すると結構だ。しかし国は日本全体問題でお金のかかる事業だから、かなりの経済援助してました。財源確保するためにそれを切って事業だけ地方に任すと、これは勝手な言い分で、こういう仕分けは私は絶対反対で注意しなければならない」

 「ただ仕分けは必要でしょう。見ていると本当に無駄なものたくさんありますよ。たとえばね財務省そのものが抱えている組織、いくつか事例があるんだけど、これにまだ手がつかないみたいでこれはまた問題あるんじゃないかな」

 「確かに無駄があったと。それを放置してきた原因というのはいろいろあるだろうけど、自民党の責任も十分あった。ただね、なんで会計制度変えないんですか。きちんとした財務諸表出てこない、今の単式簿記、バランスシートないような国家のね。近代国家の中でこんな単式簿記やってる国なんてありませんよ。だから無駄が分かってこない。それがない限りどこに無駄があるかないか分からない。今ごろになって仕分けするのは大変結構だけれども」

 「この間も原口総務相に申し上げたんだけども、『会計制度を変えなかったら、仕分けだけだったら、こと済みませんよ』と言ったら『全くその通りです』と言ってましたな。そういうことを民主党のイニシアチブでやってもらいたいですね」

 「私が1番大事な仕事をしたのは、東京都の会計制度を変えたことだと思ってます。これを評価してくれたのはたった1人、中曽根康弘さんだけだったね。あとの政治家は『はあ』って言うだけで。このなんたるかが分かっていない。これは本当に明治以来のことなんですよ。そういうのも今度の民主党政権にやってもらいたいと思いますな。会計制度がこんなね、バランスシートもろくにないような国で無駄が分かるわけない。それを放置してきた従来の官庁にも責任はあると思ってますけど」

 「仕事の仕分けはけっこうでしょう。ただその根底にはっきり証し立てる手だての1つで会計制度をきっちり合理的なものにしないと私はダメだと思います。繰り越しできない事業計画なんてありますか」

 財務省主導の仕分けなのではという声もある

 「そんな感じありますな。でも財務省もいままでやるべきことをやらなかった責任を感じているだろうし。民主党政権の威光をタテにしてやろうというのも結構だけども、財務省自身の自分自身の改革にも手を染めないと不公平な感じは否めないと思いますよ。これからの結果をみようじゃないかと。今の段階では何も言えないと思います」

 来年から、規制の厳しいシンガポールも新たにカジノに乗り出す。日本も今も地方でカジノに意欲を見せているところもあるが、知事として、オリンピック予定地やそれ以外の場所でももう一度、カジノに意欲をみせる考えはあるか

 「今でも意欲持ってますよ。国が動かないから」

 地方からも石原都知事が動かないと国内の機運が高まらないという期待がある

 「私が動くんじゃなしに私だけに言わせずに、地方全体が、例えば、全国知事会なんかでもね、県によっては態度が違うだろうけど、知事会の意向みたいなものをね、多数決なんかで。全県が賛成するわけもないだろうから」

 「やっぱりね、県単位の問題だけじゃなしに、何もラスベガス式の、ああいうもんじゃなしにね、イギリスやオランダもやってますが、局所局所でもって、例えば、オランダの空港なんてね、まあ、ああいう国ですからね、幹線が全部飛んでくるんじゃなくて、トランジットがかなり待つような機会が多い、そういう人たちのために、空港の中に非常に簡単なカジノがあってね、大変な売り上げを上げてますよ」

 「いろんな種類のカジノが考えられると思うんだけど。まあ、今までの政権は何を考えてか、聞く耳を持たなかったね。これはね、暗黒社会の問題もあるんですよ。そういうものをどうハンドルするかね、暴対法が厳しすぎたという声があるような、ないような問題だけども、そういったものの兼ね合いで、まあ、どういった選択をするかということでしょうけども。とにかく、このインターネットの時代にね、インターネットでも、要するにギャンブル、カジノする人がたくさん出てきた」

 「こないだある人に聞いたら非常にもうけがあって、払い込みが遅いんで国際弁護士を使って問い合わせをしたら、何とインターネットのカジノの胴元はパプアニューギニアだったそうだよ。それを考えたら物事は普遍してきている。やっぱり、日本の会計制度と同じように、ちょっと日本は遅れてんじゃないかね。日本人で100万近い人がカジノに行ってますわな。そういう形で、カジノ、インターネット含めて、そういうお金は全部外国に流出しているわけでね。私はね、もったいない気もしなくはない」

 五輪でJOCが仮に東京で行きたいと決めたら…

 「それ、もうちょっと先の事じゃないですかね。事務的な受付があって、その後どれくらい間隔を置くのか。今回の事例からしても東京が名乗りを上げたら、福岡も名乗りを上げてね、東京と福岡の国内選考がどれくらいあったか、ちょっと覚えていませんけども」

 4年前の事例であれば、来年の夏には決まっていたはず

 「いや、そうでもないんじゃないかな。名乗りを上げてから、ちょっと間隔があって、いろんな準備があって、東京と福岡の投票があったと思いますけどね。まあ、時間のスパンは…。それで?」

 仮に東京に決まった場合、新しい知事が手を下げることができない状況になってしまうんじゃないか

 「そういうものを踏まえて、やっぱり、政権も変わったんだし、都議会ではマジョリティーに近い力を持っている民主党も覚悟して考えたらいいんじゃないですか。ただやっぱり、事務的に遅れると、資格そのものがなくなってしまうから、それに間に合うように言ったんでありましてね」

2009/11/23 産経ニュース

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