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ハウステンボス澤田社長: カジノにも挑戦したい
10.07.01
「観光ビジネス都市」めざす ハウステンボス澤田社長
来年メドにアウトレット立ち上げ
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の傘下で4月に新装開業したハウステンボス(長崎県佐世保市)。入場料の値下げや新規イベントが奏功し、5月は単月黒字になるなど出足は好調だ。最大のかき入れ時である夏休みを前に、澤田秀雄社長(HIS会長)に今後の戦略と課題を聞いた。
――ゴールデンウイークの入場者数は前年比24%増となった。
「手応えを感じたが点数をつけたら60点。成果が出るには2、3年かかる。開業以来18年も赤字だった会社で顧客満足度を引き上げるのは容易ではない。再建に向け、色々なことを走りながら試している段階だ」
――テーマパーク事業だけでの再建は難しい。
「テーマパークの成功には立地条件に加え、キャラクターなどコンテンツが重要だ。これまでのハウステンボスはオランダをまねただけ。『一度行けばよい』施設だった」
「新生ハウステンボスでは、広大な敷地を利用して様々な企業を誘致する。ビジネスセンターのほか、買い物や食事を楽しめて、レジャーやショーも満喫できる『観光ビジネス都市』を目指す。まず来年にもアウトレットを立ち上げる」
――集客の手立ては。
「日本で観光関連ビジネスが盛り上がるのは夏休みや正月休みなど毎年決まった時期だけ。特定の顧客層を対象にした世界的なイベントを誘致すれば場所や季節に関係なく人は集まる。世界各国からガーデニングのプロを招いたイベントを10月に独自開催する」
――再建には何が必要だと思うか。
「過去との決別。これまでハードに依存しすぎた。人が集う場所には常に新しい発見があるはず。ソフト面で変化を続けなければならない。(法整備が進めば)カジノにも挑戦したい」
2010/6/30 日本経済新聞