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カジノ法案 次期臨時国会で成立の機運高まる
14.06.18
衆院内閣委員会は17日の理事懇談会で、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の整備を政府に促す推進法案について、18日に趣旨説明と質疑を行い審議入りすることを決めた。政府・自民党は慎重姿勢の公明党に配慮し、今国会の成立を見送り衆院で継続審議の扱いにする方針だが、理事懇では与野党が秋の臨時国会で法案に関係する3委員会の連合審査を行うことでも合意。年内にも成立する公算が大きくなっている。
17日の理事懇では、民主党が審議入りの条件として、次期臨時国会で内閣、法務、国土交通の3委員会による連合審査を要求し与党側が受け入れた。与党と民主党は、臨時国会で地方公聴会と参考人質疑を行うことでも合意した。今国会は22日で会期末を迎え、法案は20日にも衆院で継続審議の手続きが取られる見込みだ。
自民党は今国会で、公明党が慎重姿勢を示す集団的自衛権の行使容認を議論する与党協議会を重視。治安悪化を懸念する公明党に配慮する姿勢を示して推進法案の会期内成立を見送ることで、新たな波風を避ける構えだ。
参院内閣委員長はカジノ合法化に反対する日本教職員組合(日教組)出身の水岡俊一元首相補佐官(民主)が務めているが、自民党幹部は理事懇での合意を受け「法案成立の環境は整いつつある」と自信を深めている。
また、安倍晋三首相はカジノを「成長戦略の目玉にしたい」と意気込んでおり、政府は月末にまとめる成長戦略「日本再興戦略」改訂版に、IRの整備について「関係省庁で検討を進める」と明記する方針だ。政府・自民党は臨時国会で法案を成立させ、来年中に外為法や銀行法などの改正作業にも着手する考えだ。
一方、自民党の野田聖子総務会長は、超党派の「国際観光産業振興議員連盟」副会長として、21日にシンガポールでカジノ施設を視察する予定。安倍首相が最高顧問を務める同議連は2020年東京五輪までのIR整備を目指しており、早期成立への機運は高まっている。
2014/6/17 産経ニュース