Topics
和歌山でカジノ誘致考えるシンポジウム
10.09.02
観光振興策としてカジノの誘致をさぐるシンポジウムが1日、和歌山市茶屋ノ丁の県自治会館であった。海外のカジノの研究者らが誘致の効果や課題などを紹介した。
県が主催し、観光関係者ら約100人が出席した。大阪商業大の中條辰哉・アミューズメント産業研究所研究員らが基調講演した。
中條研究員は、カジノの誘致で犯罪の増加が懸念されていることについて対策を話した。暴力対策として、問題行動のある客の排除、監視カメラの設置、従業員の犯罪歴の調査などを挙げた。また、ギャンブル依存症の対応について「ギャンブルは楽しむもので、長期的には損をするとの教育を広める」と話した。海外のカジノは売り上げの一部を盲導犬の導入やスポーツ振興などに使っていると紹介し、「日本でも公益に役立てる仕組みを作り、法律に基づく厳格な運営が重要だ」と強調した。
国内でカジノは賭博として禁止されているが、合法化を目指す動きもある。誘致を目指す専門家は「カジノを設けたら、観光客の滞在日数が平均で2.2日延びた」と経済効果を強調する。沖縄県、大阪府、北海道など国内約20カ所で誘致活動があるという。ロシアのように、国が指定したカジノ地域の客入りが伸びず、計画の見直しを迫られている例もあるという。
2010/9/2 asahi.com